スキー・スノーボードのホットワックスの正しいかけ方|プロが教える板を傷つけない3つのポイント

スキー スノーボード ホットワックス

スキー・スノーボードのホットワックスの正しいかけ方について、実際私たちチューンナッパーが行っている方法をお伝えしていきます。

ホットワックスをかけるときの注意点は、逆に板を傷つけてしまうことです。注意点もお伝えしていきますので、大切な板を良い状態に保ってください。

ホットワックスをかけるメリット

ホットワックスの一番のメリットは「スキー・スノーボードの上達が早くなる」ということです。

ホットワックスをかけることで板は性能を発揮してより滑る板になります。

板が滑ると板の取り回しも軽くなり操作が行いやすくなります。

板の取り回し、操作がしやすくなれば板をコントロールしやすくなり「恐怖心」もなくなり、リラックスして滑走ができます。

人間は恐怖心があると体の筋肉が硬直してパフォーマンスを発揮できなくなります。

板のメンテナンス、ホットワックスをして滑りやすい状態をつくることがスキー・スノーボードの上達につながります。

また、ホットワックスはスプレーワックスに比べて、ワックスの持ちが長いのもメリットです。

より滑る状態が長いので楽しく滑ることができます。

経験ある方もいらっしゃると思いますが、春になってシャバシャバの雪では板が走らずにツマラなくなってしまいます。板が走ることがスキー・スノーボードを楽しむ上で大切であり、上達のために必要なことなのです。

そのためにホットワックスをかけることが大切ということを知っていただけると良いかと思います。

ホットワックスのかけ方

今回は、動画でご覧いただきたいか側こちらをご覧ください。


文章で読みたい方は以下をご覧ください。
細かくホットワックスの手順をお伝えしていきます。

1、アイロンを温める

アイロンの温度は注意が必要です。あまり高温にすると板を焼いてしまうので、ワックスの説明にあるアイロンの温度を確認して設定しましょう。

外気の気温によって、同じアイロンの温度でもワックスの溶け具合は変わります、毎回、同じ設定で行えば良いというものではなりません。

その場合は、ワックスをアイロンに当ててみて、ワックスの溶け具合で温度が高いか低いかを判断してみてください。これは経験が必要ですが、どのくらいの溶け具合だったら良いかというのを学ぶことで、ホットワックスをかけるスキルが上がっていきます。

柔らかいワックス(KUUのイエローなど)の場合は、当店は110度〜120度くらいで行うことが多いです。※室温の状況に合わせて設定を変更しています。

ただ、アイロンの中には温度表記が無いものがあります。

2、ワックスをアイロンに当てて板にワックスをたらす

ホットワックス 垂らす

アイロンが温まってきたらワックスを当てて、ワックスを溶かしていきましょう!

板のエッジ付近を中心に板にワックスをたらしていきます。

3、ワキシングペーパーにワックスを染み込ませる

ワックスペーパー 垂らす

ワキシングペーパーをアイロンにくっつけて、ワックスを当ててペーパーにアイロンが染み込むようにしていきます。

ペーパーにワックスを染み込ませることで、ワックスかけがスムーズになります。

4、板に熱をつたえるように軽くアイロンをかけていきます

ホットワックス アイロン

垂らしたワックスを広げながら、軽くアイロンをかけていきます。

このとき、トップ(ノーズ)からテールに向けてかけていきましょう。

はじめは板の温度を高めるためにかけるので圧もかけずにかけます。

室温にもよりますが、だいたい2、3回かければ板に熱は伝わっていくでしょう。

5、ワックスを浸透させるためにアイロンに圧をかけて少しゆっくりめに動かしていきます

ホットワックス アイロン

2、3回アイロンをかけて板が温まってきたら、ワックスの受け入れ態勢が整います。

ゆっくりめで少し抑え気味でアイロンをかけていきます。手を止めずにかけてください。

ワックスが浸透さえていきます。

※ゆっくりすぎると板が熱くなりすぎて、滑走面を傷つけることになるので注意してください。

ホットワックス 浸透させる

6、ワックスを浸透させるために数時間から数日置いておきます

ワックスを板に浸透させたいので、暖かいところに保管しておいてください。

スキーやボードにいく前日に剥がすのがベストです。

どうしても、早く剥がさなければならないという時は、ワックスをかけてから板の熱が冷めるまで待ちましょう。大体1時間はそのままおいてから剥がすようにして下さい。

7、スクレーパーでワックスを剥がす

ホットワックス スクレーパー

長いストロークでトップ(ノーズ)からテールに向かって剥がしていきます。

ワックスはなるべく綺麗に剥がしましょう!薄くなれば薄くなるほど、板は走るようになります。どれだけ剥がしてもワックスはのっているので安心ください。

エッジ付近を削る時はスクレーバーが傷つかないように行って下さい。

また、エッジについているワックスも剥がしておきましょう。

スクレーパーが丸くなっていると剥がせないので、その際はスクレーパーカッターややすり(ペーパー)をつかって、スクレーパーを研いで角を出すようにしましょう。

ワックスを剥がさずに滑る人がいますが、板の滑走面がガタガタになるのでバランスが取りづらくなるのでワックスは剥がして滑るようにして下さい。

8、ナイロンブラシをかけていきます

ホットワックス ナイロンブラシ

なるべく大きなストロークでナイロンブラシをかけて、ワックスを掻き出していきます。

強く、押し当てながらおこなうことでワックスを定着させていく効果もあります。

9、馬毛ブラシで仕上げていきます

ナイロンブラシより細かな目のブラシでワックスの細かい部分を掻き出していきます。

長いストロークでブラッシングしていってください。

10、フィニッシュマットを使って細かなクズをとります

フィニッシュマットやタオルなどで細かなワックスのクズをとります。

完成です。

以上がホットワックスの正しいかけ方、剥がし方になります。ぜひ、今シーズンのワキシングの参考にして下さい。

動画でも解説しているのでこちらもご覧ください。

ホットワックスをかける際に必要なアイテムについて

以下のアイテムを揃える必要があります。

・ワックス(低温で溶けるワックスがオススメ)
KUU 高温用ワックス イエロー
・ホットワックス用アイロン

ホットワックス アイロン
・ワキシングペーパー

ワキシングペーパー
・スクレーパー

スクレーパー
・スクレーパーカッター もしくは やすり
・ナイロンブラシ

ナイロンブラシ
・馬毛ブラシ
・フィニッシュマット もしくは タオル

ホットワックスについてのよくある質問

どのくらい時間おいてワックスを剥がせばいいですか?

可能なら1日以上ホットワックスをかけて置いておくのが良いです。

時間がない場合は板が冷えるのまって(大体2、3時間)からスクレーピングをするようにしましょう!

ベース作りをしたいのですがどうすれば良いですか?

シーズン前にワックスのベースを作る際は、まず板の状態を整える必要がありますのでチューンナップに出して板をきれいな状態にしてから行うことをオススメします。

その後、滑走面に柔らかい高温用のワックスを浸透させるために何度も柔らかい高温用のワックスをかけて、剥がして、ブラッシングしていきます。

何度も繰り返すことで、以下の3つの効果が得られます。

●滑走面にワックスがたっぷりと入った状態になり、滑りやすい状態を作る

●何度もスクレーピングやブラッシングをすることで板の滑走面のケバ立ちが取れていき、より滑る滑走面に育てることができる

●ワックスを何度もかけることでクリーニング効果がある。ワックスの純度が高まりより滑る状態に仕上がります。

ベースワックス作りについて動画でも解説をしていますのでぜひご覧ください。

スクレーパーが丸くなってワックスが剥がしづらくなりました。どうやってスクレーパーと研ぐと良いでしょうか?

スクレーパーは市販されているスクレーパーカッターで研ぐことが可能ですが、
紙やすりがあればご自宅でもスクレーパーを研ぐことが可能です。

スクレーパーを研ぐ際は、4方向研いだ方が良いのでが詳細は動画をご覧ください。

チューンナップに出した後のワックス処理の流れが分からないので教えてほしいです。

チューンナップに出した状態は滑走面を綺麗にサンディングした状態になります。

その上にホットワックスを塗っている状態です。

2つの方法があります。

1)ベース作りをして、より滑る板に育てがい場合。

ベース作りで柔らかいワックスを何度もかけて、板にワックスが浸透するようにする。

最後に硬いワックスで固める。

その後、滑りに行く時に硬いワックスを剥がして、ブラッシングして、その時の雪の温度に合わせてトップのワックスを塗って、剥がして滑りに行く。

2)ベース作りをせずに、滑りに行きたい場合。

板に塗ってあるワックスをスクレーパーで剥がして、ブラッシングして滑りに行く。

もしくは、滑走ワックスをアイロンでかけて、その後剥がして、ブラッシングして滑りに行く。

チューンナップ後のワックスの処理の仕方は動画でお伝えしていますのでご覧ください。

気温がマイナス10度など寒い地域に住んでいます。寒い時の硬いワックスがなかなか入っていきません。どのように行うと良いでしょうか?

硬いワックスは板に浸透させるのは難しいので、滑走面のトップに塗るというイメージでいてください。

ワックスを浸透させるまで行おうとすると、板を焼いてしまう恐れが出てきます。

部屋の温度がなるべく暖かいところでおこなったり、板を室内などの暖かいところにおいてから行うと多少ワックスが溶けやすくなります。

また、各種メーカーで硬いワックスをだしていますがその中でも溶けやすい柔らかいワックスを選ぶのも大切です。

KUUさんのグリーンは比較的柔らかいのでオススメです。

板を焼かないようにやる方法を動画で説明しています。

 

板のエッジ付近だけが白く毛羽立ってきてしまいます。どうすると良いでしょうか?

スキーやスノーボードはエッジを使って滑るスポーツなので、エッジ付近を使用することが多いので

エッジ付近はワックスが剥がれやすく滑走面が白くなってしまいます。

エッジ付近に硬いワックスを入れることで解決します。

詳細なやり方は動画で解説をさせていただきます。

自分の板が焼けてしまったか見分けがつきません。どうやって見極めるといいですか?

実際に板が焼けているものをご紹介していますので動画を参考にしてみてください。

まとめ

ホットワックスを正しくかけることで、ゲレンデで最高のパフォーマンスを発揮する板で楽しむことができます。

上達のためには、滑りやすい板で滑ることも大切です。今シーズンは、ホットワックスをしっかりかけてゲレンデで楽しんで下さい!

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